私のドライな彼氏
あれから1ヶ月が経った。



知香の回りは不穏な空気が流れていた。



「知香、先輩と何かあったの?」



席に座り、静かに窓の外を見ている知香。



「希羽、あたし本当に好かれてるのかな?」


「えっ?」



実は、知香はあの日以来昴と帰っていないのだ。



理由ははっきりと言ってくれず、分からずじまい。



その上、学校でも会えない状態なのだ。



《俺に彼女が出来たと聞いたら、知香の身が危ないかもしれないからな。》



これじゃぁ、他の子と何ら変わりないじゃない。


昴先輩、あたしのこと特別って言ってくれたのに・・・。


あたしは、先輩のこと大好きなのに・・・どうして?


いつも顔が見たいし、声が聞きたい。


先輩のことは何だって知りたい。


でも、先輩は違うんですか?



「知香ちゃん、元気出して!今日もう一度、誘ってみたら?」


「そうだよ!っていうか、学校では会えないけど、メールとか連絡は取ってるんでしょ?」



希羽の言葉に真里花が「連絡くらい取ってるわよ〜」とふざけて言うと



「連絡も滅多に取ってない。」


「「え・・・・・?」」



3人のまわりだけ、北極にいるような、冷たい風が吹いた。





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