あたしはの彼氏は・・・猫?!
栗色の髪に、白い肌。ぱっちりとした目に、薄い唇。そして、かっこいい人と出会い恋に落ちる。
「ばかみてぇ」「何よ、それー!」あたしだって、そうゆう感じな女の子になりたかった。けど、あたしには無理だって思う。だって、栗色の髪とは正反対の白に近い、金パ。肌は、まぁまぁ白い。あたしだって、なりたくてなったわけじゃない。姉貴も、同じ感じだった。あたしは、二人の姉貴と一人の兄貴がいる。二人の、姉貴は関東のトップを走るレディース『舞蝶』の総長と、幹部。兄貴は、関西のトップを走る『銀鬼会』の総長。あたし達の、兄弟は関西に行っても、関東に行っても怖いと噂された。
学校では、他校の生徒と喧嘩して。兄貴や姉貴達が強いからかは、分かんないけどあたしも喧嘩がそこそこ強かった。
でもPTAに、あーだこうだ、言われ。その子の親には悪魔だと罵られ、学校からはお荷物だと言われ、ついには学校を辞めてくれと頭を下げられ言われた。だから、あたしは満面の笑みでこう言った。「ええ。辞めてやりますよ、こんなくそヤロー共しか居ない学校なんて、こっちから願い下げです」その時、あたしの担任だった先生はこう吐き捨てた。「お前は、悪魔だ」汚らしい目で、こちらを見てくる担任に腹がたった。しかし、また問題を起こすと今度こそめんどくさいことになるので、手は出さなかった。あたしは、当然みんなに怒られるかと思ってた。
でも、みんないつも通りだった。あたしには親が居ない。
だから、あたしにとって姉貴や兄貴は親のようなもんだった。小さい頃の、あたしは親が死んだってことはあんまり理解出来なかったけど、でも一つだけ分かった。
あたしには、甘えられる人も、わがまま言える人もいないんだ。
そんなことを、思って小さい頃あたしは泣きっぱなしだった。毎日、毎日ワンワン泣いて。そんな、あたしをみんなが慰めて。それが当たり前だった。けど、姉貴にこう言われた。「佐南、お前が泣いてどうする。泣くのはいいけど、あたしらの前ではもう、絶対泣かないで」姉貴に、そう言われた時決めた。人前では、もう絶対泣かない。
でも、あたしにはみんなの優しさが身に染みて、昔のようにワンワン泣いた。めったに、泣くことのないあたしが、声を上げ泣いた。
姉貴達の前で、泣いたのはこれが最後だった。
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