失恋急行@!


――バタンッ


理科準備室に入るなり
先生はあたしを睨んで、
まさかの舌打ち。



「遅ぇよ」


……やばい!キレてる!
何とか言い訳しなくちゃ…

やっぱ素直に
友達と話してたって
言ったほうがいいよね…。


「…あのぉ、先生…」

二人だけの理科準備室に
あたしの声がひんやり響く。



「何?言い訳はいらねぇよ?」


…うっ。

恐る恐る顔を見ると
先生はニヤリ。



「図星なんだろ。おまえ分かりやすすぎなんだよ」

そういって、
あたしを見下すように
見る先生の顔は

…まるで、ドSだ。
…いや、むしろ悪魔…。


「ま、とりあえず仕事だな。
この試験管とビーカーとフラスコと……」


「そんなに洗うんですか!?」

「文句あるわけ?遅れてきたくせに?」

あたしに向ける冷たい目。

「…スミマセン!」

逆らったら
どうなることやら(;_;)


「じゃあよろしく」


……。
………?????
あれー?

「先生もやるんですよね??」

「俺はやらないけど?」


え。
先生、あなたは
どうしてそんな涼しい顔で
そんな言葉を
平気で言えるの――!?


「俺が帰ってくるまでにやっとけよ?奈央チャン?」

そういうと、
先生はあたしに手を振って

理科準備室から
出ていった……



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