すみれの花
危機
すみれは、あえて正面玄関から出ず、
裏門から学校を出た。
正面玄関には、迎えが待機している。
でも、泣いてる所を見られたくなかったから。
きっと泣いちゃうから。
だから迎えに来てくれたのには申し訳ないけど
あえて今日は歩いて帰ろう、と思う。
地元のダイアゴン横町を歩いていると、
軽そうな男が近づいてきた。
「えっ激可愛!ちょっと遊んでかない?もちろんおごりだからさ~!」
うざい…。
私はYESともNOとも言わず、ただ無視をした。
「ねえね~ちょっとだけだからさ~」
それでも引き下がらない男。
しまいには肩に手を回してきたので、
私はバシンッと勢いよく叩き落としてやった。
男はさすがに痛かったのか、ムッとした表情で
「反抗されるのも、意外ともえるんだよね~」
といった。
??
ん?と思ったときにはすでに男に捕まっている私。
男の力が強すぎて、抵抗さえもできない。
一生懸命離れようと男の背中をバシバシ叩くが、ビクともしない。
そのまますみれは、よくわからないカラオケ店に連れて行かれた。