すみれの花
突然、中貴原に抱きしめられたすみれは、
あまりの急さにただただ驚いていた。
でも、全然嫌じゃない。
体が拒んでいない。
さっきの男とは全く違った。
─ああ、私、恋してるんだ。
中貴原に恋してるんだ。
中貴原がスキなんだ。
もしかして、
今が素直になり時なの?
そう思うと、
すみれは中貴原を追いかけて走り出した。
神サマ、私が恋してもいいですか?
気づいちゃったの。
だからもう止めらんない。
だから……
だから神サマ、
私に勇気をちょうだい!