すみれの花
裏の顔
放課後は、部活だ。
私は中学のときはバレー部所属だったけど、
脚が傷だらけになるから辞めた。
けど残念なことに、料理とか手芸とか可愛い趣味がないから文化部に入るわけにはいかない。
だから高校では帰宅部ってことになるね。
あっという間に誰もいなくなった教室。
電気も消されてて薄暗い。
あたし、この空間、結構スキなんだよね。
だって学校なのに唯一静かな場所なんだもん。
なんか落ち着ける。
「さっあたしも帰ろうかな。」
聞いてる人なんて誰もいないのに呟いてみた。
(あっその前にトイレι)
ようを済まし、教室に鞄をとりに戻った。
ガラガラッ
ドアをあけると、そこには中貴原がいる。
中貴原はトレーニングウェアを着て(多分サッカー部だろう。)
一生懸命机の落書きを消していた。
「………」
「あっすみれ…」
顔を上げた中貴原が私に気づいた。
「ねえ、消すの、手伝おうか?」(一応半分私のせいでもあるし。)
軽く聞いてみた。
「ううんあとちょっとだし大丈夫」
……
「つかさ、こうゆうの、まじうざくね?
超うっとうしいんだけど!」