hair salon 『K』
「さあ、早くメールを!!」

私を席に着かせた美里亜は肩で息をしながらそう言った。


「う…うん…」

私は携帯を取り出して小宮山さんのアドレスと番号を登録する。



そして微かに指先が震えながらもメールを作成した。

『金野奈央です。

昨日はありがとうございました。

今日の朝も、かばってくれてありがとうございました。


小宮山さんは、何か部活に入ってますか?』


…この短い文を作るのに、どれだけ時間を要したことか。

美里亜に変な箇所がないか確認してもらってから送信した。


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