hair salon 『K』

「内巻きに…ふんわり…」


最上さんはそう言いながら私の髪を巻いた。


数分後…


「わあっ…ふわっとしてる…」


「お家でも簡単にできますから、ぜひ」

にこっと笑いながら最上さんはコテを片付けた。



私は支払いを済ませてから、お店の外に出た。


「最上さん、今日はありがとうございました」


「いえいえ。今日お教えしたことを忘れないでくださいね。」


ふふっと笑い、口に手を当てた。


「私…好きな人がいるんですが…最近親しくなれたばかりの人なんです。

…告白してもいいのかなって…思うんですけど…」


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