hair salon 『K』
やっと、私が降りる駅に到着する。
「じゃあ…私はこれで…」
そう言って、顔を見せないまま電車を降りた。
《小宮山さんは…きっと…》
ツウッと静かに流れる涙を拭いながら歩いて行くと
「え…ちょっと小宮山君!?」
そんな日南さんの声が聞こえた。
「え……?」
振り返って見ると、電車から降りている小宮山さんの姿。
「な、にして……」
電車は扉を閉め、次の駅に向けて発車してしまった。