hair salon 『K』

やっと、私が降りる駅に到着する。


「じゃあ…私はこれで…」


そう言って、顔を見せないまま電車を降りた。


《小宮山さんは…きっと…》

ツウッと静かに流れる涙を拭いながら歩いて行くと


「え…ちょっと小宮山君!?」


そんな日南さんの声が聞こえた。


「え……?」

振り返って見ると、電車から降りている小宮山さんの姿。



「な、にして……」


電車は扉を閉め、次の駅に向けて発車してしまった。


< 128 / 212 >

この作品をシェア

pagetop