hair salon 『K』
小宮山さんは私の元に歩いてくる。
「何してるんですか!?電車行っちゃいましたよ!?」
「知ってる。」
「じゃあ何で…」
「俺も聞きたい。
何で泣いてるの…?電車降りる時も泣きそうになってた」
「こ…れは…目にゴミが入っただけで…
すぐ止まりますから!!」
私は笑顔を向けた。
ホームには私達以外、誰もいなかった。
「そんな無理して笑わないで。」
小宮山さんはブレザーの裾で、私の涙を拭ってくれた。