hair salon 『K』
「……何でだよ

お前…黒田さんのこと…」

涼太はそこまで言うと、口を閉じた。

「…え?」

カットをしていた手が思わず止まる。

涼太、何を言いかけたの…?


私…バカだから、期待しちゃうよ?

「…やっぱ何でもない。

手、止めるなよ」

涼太は私の髪をグシャグシャにしてほうきを片付けに行った。



「何なのよ…」

髪を整えながら涼太の背中に、ポツリと呟いた。


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