hair salon 『K』
しばらく歩いていると、後ろから足音が聞こえた。


振り返るとそこには…

「桃川!!」

カバンを片手に持った中川君がいた。


「な、中川君…どうしたの?」


「いや、俺用事ができてさ。帰んなきゃいけなくなったんだ。

桃川は…部活だよな?」


「う、うん…そうだけど…」


「じゃあさ、途中まで一緒に行こう。美術室と昇降口近いし!!」


「…うん!!」

廊下を二人で歩き出した。


中川君は気まずくならないように、色んな話をしてくれた。

《やっぱり中川君は優しいな…》


そんなことを思いながら、笑って返事をする。

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