hair salon 『K』
「デートって言ったら…どうするんだ?」
黒田さんが意地悪く笑った。
私達の間での会話が途切れたのを見計らったかのように、ウェイターさんが飲み物を運んできた。
ウェイターさんが静かに飲み物を置き、頭を下げて戻っていった。
「…ふっ…冗談だ。」
笑いながらカプチーノを一口飲んだ。
「大体、恋愛なんかしてる暇は無い。
仕事が楽しいからな。」
「…やっぱりそうですよね。」
ふっと張りつめた緊張がとける。
「お前な、そんな心配しなくていいから。
茜には大問題があるだろ。」