hair salon 『K』
「緑山様!?」
「今日は…お休みみたいですけど…」
緑山様は店内をキョロ…っと見渡した。
「…あの人はデートです。」
「デート!?」
「お得意様が日頃の感謝を込めて…とのことらしいです。」
「…ありなんですか?」
「店長が面白がって許可しました。」
緑山様は苦笑いを浮かべた。
「…最上さん、ずいぶん不安そうですけど、そのお得い様も、白羽さん狙いなんですね?」
私は黙ってうなずいた。
「そっか…ライバルか…」
「勝ち目ありますかね…」
私の口から、不安がこぼれた。
「ありますよ。」
緑山様はサラリと言った。