hair salon 『K』
「最上さん、諦めないでくださいね?
デートされたくらいじゃ、まだわかりませんから。最上さんも白羽さんを誘ってみたらどうですか?」
「でも、緊張してしまって…」
「勢いにまかせてみたらどうです?
私は、告白したはしたんですが、勢いにのせてだったんです。なんとか成功しましたが…」
「勢い…」
「慎重になるのもいいですけど、時には勢いも大切ですよ‼」
緑山様はにっこり笑った。
「そうですね…誘ってみます‼」
「頑張ってください‼応援してますから‼」
緑山様はそう言って帰って行った。
私は店内に戻り、掃除を始める。
「勢い…か」
「勢い?何が?」
「黒田さん‼
いきなり背後に現れるのやめてください‼」