hair salon 『K』
だから最近カットしてなかったんだ…
私は自分の中で納得をする。
「それで、二号店なんだが…
軌道に乗るまで、俺はあっちで働こうと思ってる。でも、こっちの店だって大事だ。
だから、俺が帰ってくるまで店長を任せたいんだ、茜に。」
「わ、私なんかでいいんですか?」
「俺は、茜の才能はすごいと思う。
人にどんな髪型が似合うかわかる才能。
でも、その似合う髪形を実際に作れるカットの腕とか…そういうものの方が俺はすごいと思ってるんだ。
だから、お前にやってもらいたい。」
私は言葉が出なかった。
黒田さんはこんなに私を見込んでくれてたんだ…
そう思うと、なんだか胸が熱くなる。
その期待に…私は…こたえたい‼
「…わかりました、やってみます」
「ホントか!?」
「はい、不安ですけど…」
「サンキュー‼」
黒田さんは子供みたいに喜んだ。