hair salon 『K』
「でも私だけでここを守れるかなんて…」
「は?何言ってるんだ?」
黒田さんは少し目を見開いた。
「茜だけじゃなくて、涼太にも頼もうと思ってるんだけど…って言わなかったけ?」
「聞いてません‼」
私は素っ頓狂な声を出してしまった。
「あはは、悪いなー。
この店は茜と涼太のダブル店長でやっていってもらいたい‼」
「そんな…だったら‼」
「まさか断らないよな?一度引き受けた仕事だもんなー…。それに今使ってるハサミは俺があげたんだよなー…なぁ茜?」
「ぐっ…」
そこで私はハッと気がついた
「まさか…わざとですか!?
わざと涼太にも頼むってことを言わなかったんですね!?それにハサミだってこうなることを見越して…‼絶対そうだ…」
「ははは‼」
黒田さんは否定しなかった。