hair salon 『K』
「くそう…」
「まぁ、この事は他のスタッフには内緒な。
じゃあ仕事に戻れー」
「そんな重要なこと聞かされたあとに仕事できませんよ‼」
黒田さんは笑いながら部屋を出て行った。
私はイスに座り、深いため息をついた。
《また黒田さんにやられた…
私と涼太でこの店を…
……そういえば涼太、麻百合さんとどんな感じなのかなぁ…
もしかしたら、付き合うことになってたり…》
考えだすときりがなかった。
「ああもう‼」
仕事にならない理由がここにも‼
私は勢いよく立ち上がり、部屋を出て扉を思い切り閉めた。
私の中の雑念を追い払うように…。