hair salon 『K』
告白
「ああ…疲れた…」
私はスタッフルームの机にうつぶせになった。
昨日、あんなことがあったから私は涼太を避けてしまっている。
話しかけられそうになったら外に掃き掃除をしに行ったり、無駄に黒田さんに話しかけたり…
ふざけて黒田さんが
「何だ茜、俺のこと好きなのか?」
と言うほど。
お客さんがいるときは涼太を気にしなくていいんだけど…
今みたいに休憩中は、いつ現れるかわからない。
そんなふうに、会いたくない時に限って
「茜」
…現れたりする。
私は体を起こして軽く髪を整える。
心臓が大きな音をたてる。
涼太は私の正面に座った。
「茜、聞きたいことが三つある。」
「三つ…?」
「ひとつは、二号店の話」
「ああ…」
「茜は、どこまで知ってる?」
涼太は私の目をまっすぐ見つめてくる。
「えっと…」
私は照れてしまって、目をそらした。