hair salon 『K』
「私は…涼太のことが……好きです。」
この告白の結果が、どうなってもいい…
伝えたい。
ただ、それだけ。
「茜…」
涼太は私の横に立って
グイッ
私の腕を引っ張った。
急に引っ張られたから、私は何もできなくて、涼太の胸に飛びこむ形になった。
涼太は、私の背中に腕を回して、ギュッと力を込めた。
「やっと…抱きしめることができた」
「りょ、涼太?」
「茜、俺も茜のことが好きだ」
私の顔を至近距離で見ながら、涼太はそう言ってくれた。
涼太の顔はあまりにも近く…唇と唇の間にはわずかな距離しかなかった。
何も言わない私を不思議に思ったのか、涼太は
「あれ?茜どうした?嬉しくないの?」
「う、嬉しいけど…その…顔近い…」
「照れてる茜をこんな間近で見れる機会ないからなぁ」
にやにやしながら、涼太は徐々に私との間を詰めていく。
体はもう、ぴったりついていて、顔は、人差し指の長さ分あるかないかの隙間だけ…
「涼太…‼近いから‼」
「近くしてるからな」
「こんなとこ黒田さんに見られたら…」