hair salon 『K』
「わかりました。ではこちらに…」
私は金野様を席まで案内をした。
今の金野様に似合う髪型を考える。
「うーん…金野様」
「はい!!」
「金野様は、今の髪型が一番お似合いだと思います」
「またですかぁ?」
金野様はがっくりと肩を落とした。
私は少し笑いながら
「たまにいらっしゃるんですよ。自然と自分に似合う髪型がわかってしまう方が」
「そう言われても…
今度こそ最上さんにカットしてもらいたかったのに…」
「それはまた次の機会に、ということで。
それで、金野様、どうしますか?
シャンプーだけでもしていかれます?」
「最上さんのシャンプーは気持ちいいので是非!!」
「そう言っていただけて嬉しいです」
金野様はシャンプー台の位置を覚えていたのか、私が案内するよりも早く、歩き始めた。
金野様が座られたので、ヘッド部分を倒し、顔にタオルをかけた。
シャワーを出して髪を濡らしていく。
「熱くないですか?」
「大丈夫です!!」
一通り髪を濡らしたらシャンプーで、髪を洗う。