hair salon 『K』
「実は…昨日告白しようとしたんですが、思わぬ邪魔が入りまして…
さっきちゃんと告白しました」
「あー!!じゃあ私が指名してなければ最上さんはいちゃいちゃできたんですね…すみません…」
「いえ!!大丈夫です!!」
私は慌てて否定した。
ドライヤーを止めて片付ける。
「金野様、終わりましたよ」
「あー残念!!やっぱりシャンプーじゃあ短いですね…」
金野様は渋々イスから降りて、会計に向かった。
お店の外に出て、金野様をお見送りする。
「とにかく…おめでとうございます、最上さん!!」
「ありがとうございます」
改めて祝福されると照れてしまう。
「また髪が伸びたら来ますね次こそカットしてもらいます!!」
「お待ちしています」
「その頃には、最上さんは最上さんじゃないんですかね?」
金野様はにやりと笑った。
「私は私ですよ?」
「それはそうなんですけどね。
名字が変わってるかもしれないなぁ…と」
名字が変わる…
「ええっ!?
ま、まさかそんな…」
「あり得なくはないですよ!!」