hair salon 『K』
けじめ
その日の閉店後…
黒田さんはスタッフ全員を集めて、大切な話があると言った。
「えー、このサロンはお客様に愛されて…ついに二号店を出すことになった!!」
スタッフからワッと歓声が上がる。
「それでだな、俺は二号店が軌道にのるまで、そっちで働こうと思う。
だからこの店は、店長がいないことになる。
俺は、俺がいない間、ここは茜と涼太に任せたいんだが…皆どうだ?」
スタッフ達は笑顔で賛成の拍手をしてくれた。
「満場一致…だな」
それを見た黒田さんは嬉しそうに笑っていた。
私も涼太もお互い顔を見合わせて安心する。
「あ、それともう一つ」
黒田さんが人差し指をたてた。
もう一つの大事な話…?
「やっと茜と涼太がくっつきましたー!!」
「なっ!!黒田さん!?」
スタッフからは「やっとかー」などと言う声が上がっている。