hair salon 『K』

けじめ


その日の閉店後…

黒田さんはスタッフ全員を集めて、大切な話があると言った。


「えー、このサロンはお客様に愛されて…ついに二号店を出すことになった!!」

スタッフからワッと歓声が上がる。


「それでだな、俺は二号店が軌道にのるまで、そっちで働こうと思う。

だからこの店は、店長がいないことになる。

俺は、俺がいない間、ここは茜と涼太に任せたいんだが…皆どうだ?」


スタッフ達は笑顔で賛成の拍手をしてくれた。

「満場一致…だな」

それを見た黒田さんは嬉しそうに笑っていた。

私も涼太もお互い顔を見合わせて安心する。


「あ、それともう一つ」

黒田さんが人差し指をたてた。

もう一つの大事な話…?


「やっと茜と涼太がくっつきましたー!!」


「なっ!!黒田さん!?」


スタッフからは「やっとかー」などと言う声が上がっている。


< 202 / 212 >

この作品をシェア

pagetop