hair salon 『K』
「でも彼女じゃなかったら…失恋じゃありませんよね?」


「…あ……そうか…」


「だから私は告白して振られないと諦められないんですよ。」


「そうですよね。ありがとうございます。

……私も、告白してから振られようと思います。そうしないと悔いが残りますもんね。」


「はい。」

最上さんはにっこり笑う。


私は勇気を振り絞って聞いてみた。

「……最上さんの好きな人は誰なんですか?」


隣のワゴンからスプレーを取っていた最上さんは、動揺したのかスプレーを床に落とした。

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