hair salon 『K』
「あれ、桃川。どうしたの?こんな所で……」


「ちょっと来てくれる?」

私は中川君の手を取り、他の男子達に気づかれないよう、なるべく早く体育館から離れた。

誰もいないことを確認して、中川君と向き合う。



「ごめんね急に…」


「大丈夫。どうかした?」


「……えっと…」

恥ずかしさがこみ上げてくる。


どうしよう、言葉が出てこない。

伝えたいのに…!!授業中考えてたのに頭が真っ白…!!


待ってくれてる中川君に悪いから早く…言わなきゃ…


「あの………」


「うん」


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