hair salon 『K』
《……目は口ほどにものを言うって本当だ》

そんなことをしみじみ思いながら私はその場を静かに離れた。


……つもりだった。


「あ!!緑山!!」


柳川先輩は私を追いかけてくる。


「へっ!?」


「お前さぁ遅くなったのってまさか…」


「……?」

先輩は私のお腹をムニッとつまんで


「太ったんじゃないだろうな」

意地悪な笑みを浮かべながらそう言った。


「なっ!!太ってませんよ!!」

私はお腹をつまむ先輩の手から逃れる。


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