hair salon 『K』
「……何ホッとした顔してんだよ」

どうやら顔に出ていたらしい。


「ホッとしますよ!!だって石川さんは先輩を狙ってるんですよ?私だって好きなのに…


先輩が石川さんを好きになっちゃったら終わりですから!!」


笑いながらそう言うと、先輩は硬直していた。


《え……?何か変なこと言ったっけ…?》


急いでさっきの言葉を思い出す。

《『ホッとしますよ!!だって……』

別にここはおかしくないよね。じゃあもっと後…》


私は頭の中で記憶をたどる。


《『……先輩を狙ってるんですよ?私だって好きなのに…』


………ん?え?

『私だって好きなのに』って言っちゃったの!?》

私の顔は、赤くなる……なんて可愛いことにはならなくて、真っ青になった。


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