hair salon 『K』
「え…緑山?」


「えっと…あの…」


「じゃあ先輩、私はこれで。……ありがとうございました。」

石川さんは頭を下げて出ていった。


さっき目があった時に、気づいた。


彼女の目には涙が溜まっていたことを。



「………」


「……あ、プリント忘れちゃって…」

私は座っていた席にぽつん…とおかれているプリントをぱっと手に取った。


「緑山、こっち…向けよ」

ビクッと身体がはねあがる。


「朝の返事……させてくれ。」


「………」

私はゆっくり先輩の方を向いた。
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