hair salon 『K』

他校生

あれは…セミがうるさく鳴いていた、夏。


いつもと同じ電車に乗りながら、いつもと同じように外の景色を眺めて、ボーッとしていた。



この頃からあの人はいたんだろうけど、特に気にしてなかった。


この日、一組の親子が乗り込んできたんだ。



子供ははしゃいでいて、お母さんは何だか顔が青白かった。



はしゃいで、車内を走り回る子供をお母さんは注意するけど、聞く耳をもたず、走り回る。


そして子供は、あの人の目の前で転んだ。

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