hair salon 『K』
目を覚ましたのは

「ねえ、そろそろ駅着くよ」

という隣の席に座っている人の声


私はその人の肩にもたれかかっていて…


「ご、ごめんなさい!!」

急いで姿勢を正した

「大丈夫」

そう言って笑うその人は…

「あ……」

いつも見かけるあの人だった。


電車が止まり、私の降りる駅の名前を告げながら扉が開く。


私は慌てて膝においていたカバンを肩にかけて

「あの、ホントにありがとうございました」

あの人に一礼してから電車を降りた。

けど…

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