死ねばいいのに





でも体は、必死にそれを止める。



「死んじゃダメ、死んじゃダメ!」



と、繰り返しながら。



そうすると、

目の前の死にたがりは泣く。


その、何も見えていないような
真っ黒の瞳から、

透明の綺麗な涙がポタポタ溢れ出す。



僕は、抱き締める。





< 5 / 11 >

この作品をシェア

pagetop