極超短編劇場
身体が重く、ベッドに吸い付けられている。
瞼は、まだ半分も開いていないと云うのに、頭のゴワゴワとした痛みだけは実感する。
既に明るい部屋にふと我に返る。
イルカの泳ぐ時計は、九時半を過ぎている。
その天辺にあるアラームボタンは凹んだままだ。
完全に遅刻。
やってしまった。
携帯を確認すると会社からの着信が表示されている。
ゆるゆると発信ボタンを押す。
3コールで繋がる。
上出来。
「はい、株式会社○○です。」
「総務の先村ですが、市山係長をお願いします。」
熱が有ると適当な言い訳をすれば良いかな。
「お電話代わりました市山です。」
お前のせいだから、意図を汲めよ。
「先村です、本日熱が有るので休みます。」
少し鼻声になる。
何だか本当に体が熱い気もしてきた。
「大丈夫か?」
「お前のせいだ、さっさと電話切れ。」
少し小声で吐き出す。
昨日の大喧嘩を思い出し、少し腹が立ってきた。
帰ってしまった後、あんなに泣いてしまったのに。
「あほたれ暖かくして寝てろ。」
会社の電話でのそんな会話。
そんな事で少し幸せな気分になった。
瞼は、まだ半分も開いていないと云うのに、頭のゴワゴワとした痛みだけは実感する。
既に明るい部屋にふと我に返る。
イルカの泳ぐ時計は、九時半を過ぎている。
その天辺にあるアラームボタンは凹んだままだ。
完全に遅刻。
やってしまった。
携帯を確認すると会社からの着信が表示されている。
ゆるゆると発信ボタンを押す。
3コールで繋がる。
上出来。
「はい、株式会社○○です。」
「総務の先村ですが、市山係長をお願いします。」
熱が有ると適当な言い訳をすれば良いかな。
「お電話代わりました市山です。」
お前のせいだから、意図を汲めよ。
「先村です、本日熱が有るので休みます。」
少し鼻声になる。
何だか本当に体が熱い気もしてきた。
「大丈夫か?」
「お前のせいだ、さっさと電話切れ。」
少し小声で吐き出す。
昨日の大喧嘩を思い出し、少し腹が立ってきた。
帰ってしまった後、あんなに泣いてしまったのに。
「あほたれ暖かくして寝てろ。」
会社の電話でのそんな会話。
そんな事で少し幸せな気分になった。