Perfume〜時の調香師〜
「あの毬は…父が初めて買ってくれた毬よ」


「お姫様で娘なのに、初めてかってもらったのが毬か?」


「小さいとき母が毬を作ってくれたの。けど母も亡くなり…それいらい毬も無くなったの」


エルレナには母がいないのか…


「エルレナは今いくつなの?」


俺はふと気になった


「今13よ」


「13かぁ〜」


一番親を頼りにする年だし思春期だな


「それで私は母がいない寂しさから父におねだりをしたの…いつもは貴族だからといって甘えてはダメだと父は言うの」


「なんか、尊敬できるね」


「私は毬がほしいっていったわ…けど今は父がくれたものなら何でも嬉しいのだけど……」


ああ…ほらやっぱりだ。話からわかるのはエルレナは父に甘えたいんだ。


「俺なんか甘えっぱなしだぞ?エルレナ」


「あんたなんかと一緒にしないでよ」


それは…そうだよね


「息子だから甘えるんだ。愛されてると感じたいから!」


「私だって甘えたいわよ!!けどね父は私より国!いえ…民が最優先なの!」


俺の目の前には2人の貴族がいる。国によって王様は違う…そうすると考えもちがう……二人の意見は正しいが、すこしエルレナはちがくみえる


「じやぁエルレナは父にただ甘えたいの?」


「………」


「甘えたい…私をかわいがってほしい…」
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