シンデレララブストーリー
「でもだからって、一国の皇子様がすることじゃない。」


「皇子様って言うな!!」



突然、ディオンは大声を出し、真紀は驚いて固まった。



「俺は、生まれてからずっと両親や学校、国民のために良い皇子を演じてきた。いや、演じずにはいられなかった。」



良い皇子を演じていた・・・?



「だから、生涯を供にする人だけは、どうしても自分で決めたかった。なのにそれすらも奪われそうだった。一生を国のトップと言うものに縛り付けられる身だ。だからこそ、一緒にいるのは心を許せて癒してくれる人が良かった。」


「ディオン・・・・・・」



自分にはわからなかったディオンの暗い影。


それを必死に伝えるディオンに真紀はただ黙って聞くしかなかった。



「だから俺はあの時、この直観的な運命に賭けることにした。」



自分と会うことに賭けていたなんて、たかが中流家庭に生まれた自分にはもったいないように思えた。





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