シンデレララブストーリー
「マキ・・・・・・・・・・・?」


「あたしはディオンのことは、そんな風には見れない。第一騙されてたのよ?そんな人のことなんか信用できないし・・・・」



顔が見れない。


顔を見れば、絶対に涙が溢れるから・・・


そうしたら、好きだってことがバレちゃう。


ディオンを早くもとの場所へ帰さなきゃ。



真紀は手を強く握り、溢れそうな涙を堪えた。




「マキ・・・・俺は愛してるよ。それはずっと変わらない。」


「だからあたしはっ!」




反論しようとした時、ディオンに抱き締められた。






「ありがとう、俺を想ってくれて。」


「え?」


「真紀の考えは全部わかってる。俺の準備が出来たら必ず迎えに行くから。待っててくれ。」


「ディオン・・・・・・・・・」




最後、ディオンは真紀にキスをして出ていった。






“愛してる・・・真紀”



そう呟いて。



あたしもって言いたいけど、あたしは言えない。



皇子様に愛されるなんて、夢。



誰だって、こんなお話になりそうな同棲生活を送ってたら勘違いするよ。



ただ、それだけだよ。




真紀は一人、ディオンがいなくなった部屋で泣いた。




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