シンデレララブストーリー
「ありがとう、フィリップ。どうぞ。」


「あぁ。」



そう言えば、最初はお風呂の使い方もわからなかったんだっけ?



最初は、不自然なくらいフィリップは何も出来なかった。



お風呂や洗濯機の使い方、料理は皆無だった。



その上、料理を食べるときに必要以上にナイフを使う。



食べ方もすごく上品で、真紀はフィリップを、上流階級の出だと思っている。



フィリップに以前聞いたこともあったが、話をそらされてしまったのだ。



余程話したくないらしい。



でも、それでも、フィリップがこのまま傍にいてくれるなら・・・



真紀は隣に寝ているフィリップを見てそう思った。





ねぇ、あなたは誰?


何者なの?


いつまであたしの傍にいてくれるの?


あなたがダラダラここにいる間にあたしはあなたを好きになってしまった。



どうしてくれるのよ・・・。




真紀はフィリップに背を向け、目を閉じた。






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