ベイビー or ダーリン

ある時代の

ある国の

ある森の奥に

ある屋敷があった。



そこに暮らすのは、若いカップル。



少女の名前はシャロル。


可愛らしく、優しい性格の少女はどういう訳か、この屋敷に迷い込んできたという。



青年の名前はジル。


美しい顔立ちに、甘い言葉を囁き、シャロルをいつも真っ赤にさせる。

屋敷の主人なのだが、謎多き青年だ。



シャロルが迷い込んできた当時はジルは何人もの女を屋敷へ招待し遊んで暮らしていた。



シャロルと出会い、屋敷へ置いてくれるようになってからも、それは変わらなかった。



だが、月日が流れるうちに互いに惹かれ合い、両想いになったのだ。



そして、初めて結ばれた日から数ヶ月･･･



シャロルは、一つ悩んでいることがあるのです。




｢ねぇジル。今日は、以前行った湖へ行かない？｣


｢え？だけど、さっき雪が降っていただろう？｣


｢でもほら、見て。もう止んでるでしょ。行こう？｣



屋敷にずっと閉じこもっているのは退屈なので、たまには外に出たい。



だが、ジルは



｢僕は屋敷で君と二人きりでいたいよ。｣