ベイビー or ダーリン
「シャロルが屋敷に来るまで、僕はずっと一人だった。」


「でも、他にもたくさん女の人がいたでしょ?」



シャロルは後ろを振り替える。



「あんなのは愛でも何でもない。彼女達はお金を渡して、毎晩代わる代わる来てもらってただけ。僕は夜は一人じゃ寝られないんだ。」


「どうして?」


「僕は両親がいないも同然の中で暮らしていた。だけど、身の回りのお世話をしてくれる人で、一人だけ僕に優しく接してくれた人がいたんだ。」



彼女は毎晩、幼いジルを寝かし付けてくれたのだ。



「そうなんだ。じゃぁ、その人のこと、ジルは大好きなんだね。」


「クスッ シャロル程じゃないよ。それに、その人も最後には結局欲深い人間の一人にすぎないと気付いたんだ。」



ジルの瞳に再び影が落ちたようだった。




「どういうこと?」


「あの人ね、僕の容姿にしか、興味がなかったんだよ。それからついでに言うと・・・」



シャロルの耳元で囁くと、シャロルは顔を真っ赤にした。



それを見て満足そうに笑うジル。



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