ベイビー or ダーリン
《その人は、僕の初めての人なんだよ。》



もう!ジルはそういうこと平気で言うからなぁ・・・(/_\;)


シャロルは真っ赤にした顔を両手で覆った。



ジルはそんなシャロルの頭を撫でながら呟いた。



「ひいた?」



え?



シャロルはパッとジルを見た。



「ひいた?」



もう一度聞くジルにシャロルは笑顔で答えた。



「惚れ直しちゃった」



チュッ!



不意をつくシャロルのキスに瞳を見開くジル。



「どんなジルでも、あたしの大好きなジルに変わりないでしょ?」


「だけど、魔法を使えるんだよ?」


「うん。すごいじゃない?」


「子どもの姿にもなるんだよ?」


「ならないように、ずぅっと傍にいてあげる!」


「ずぅっと?」


「ずぅ〜っとキャッ!?」



急にシャロルの視界が変わった。



背中にはベッド。



目の前にはジル。



そして唇には、柔らかい感触。



「・・・ジル?」


「そんな可愛いことを言う子ウサギを襲わない狼はいないよ?」



妖艶な微笑みで笑う彼は、さっきまでの王子様ではなく、ただ一人の少女の愛に飢えたbeastになっていた。




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