ベイビー or ダーリン
「あたしが嫌なの。それに、1人で寝た方が落ち着けるし・・・」



嘘だけど・・・。


ジルと寝る時ほど幸せな時はないんだから。



その言葉を聞いたジルは、酷く悲しそうな瞳をした。


「シャロルは、平気なんだね。僕と寝られなくても・・・僕はいつも、君の温もりを感じていたいのに・・・。」



その後に「わかった」と付け足すとジルは出ていった。




ごめんね。ジル。



ジル・・・あたしもジルと一緒にいたいけど、今は屋敷から出て、外の世界を見に行きたいという好奇心の方が、勝ってるの。



少しだけ、少しだけ離れるだけ。



許してね。



愛してるよ、ジル。
























部屋から出ていったジルだが、ずっとドアの前に立っていた。



両腕を組み、自分の震える腕を押さえていた。



ジルの体はわずかに、縮んでいるようにも見えた。







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