ベイビー or ダーリン
「ジ、ジ、ジル?君、ジルなの?」


「そうだよ。一緒にいたでしょ?」


「え?でもでも、どうしてこんなに小さくなったの?」



そう言うと、小さなジルは首を傾げた。



「何を言ってるの?小さくなったって・・・背?」


「え?」



どういうわけか、今のジルは今までの記憶がないらしい。



だけど、シャロルといたことは覚えていて、異常なまでに甘えてくる。



「ずっと一緒でしょ?」


「え?」


「もうどこにもいかないよね?僕とここにいてくれるでしょ?」


「え、あ、うん。」



昨日逃げ出そうとしたことを言ってるのかな?



ギクッとしてシャロルは冷や汗をかいた。



結局大失敗に終わった計画。



だけど、それに加わりこんなことが起こってしまうなんて・・・。



「はぁ・・・」



シャロルはどうしたらいいのかと頭を悩ますが、ジルはそれに気付いているのかいないのか、シャロルの胸にしがみついて頬をすり寄せる。



「シャロル、あったか〜い。」



ニッコリ笑って顔を上げる。



その顔は青年の時のジルの笑顔そのものだった。



しかし、どうして体や記憶がこんなにも幼くなってしまったのか・・・?



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