さくら~あじさい
「でも、お祖母ちゃんに触ったら温かいでしょ?先生が注射したら痛がって顔しかめるでしょ?お風呂に入れてもらったら嬉しそうな顔になるでしょ?」
「うん」
「お祖母ちゃんも頑張って生きてるのよ。何も分からなくたって食べれなくたって一生懸命 生きてるの。お祖母ちゃんは器械とかの世話にならずに自分で息してるでしょ?」
「うん」
ママは涙を拭きながら
「お祖母ちゃんは頑張ってるの。生きたいって…」
菜々ちゃんは、お祖母ちゃんを思い浮かべながら
「う、うん」
「それにね、もしかしたら…お祖母ちゃん、目が覚める時が来るかも知れないでしょ?」
「ママ…」
「目が覚めて、あの時、菜々ちゃんあんな事してくれてたねって言うかも知れないよ」