To my dearly beloved
私はロクシタンのハンドクリーム塗ってケアしてるのに、この手は素直に羨ましい。
…なんて呑気に手を見つめながら、はたと気づいた彼のトンデモナイ失礼発言。
「ていうか、目開けて寝てたら魚じゃん!」
「鈴ちゃんカナヅチだから、魚と一緒に出来ないだろ」
「あ、ひーどーいー!
私が泳げないの、何で知ってるの!?」
「ハハッ、秘密――ほら、コレ飲んで」
ムムッと頬を膨らませていれば、軽快に笑ってマグカップを差し出してくれた。
「わー、ありがとー」
「今日はマシュマロもプラス。鈴ちゃんの脳もお疲れだろうし」
「キャー、輝大好き!」
それはユラユラと湯気を立てて、大好きな甘い香りを放つから機嫌も直ぐに戻る。
ニッコリ笑って受け取った瞬間は、輝の表情がとても柔らかいから幸せだと思う。
変わらず置いてある低反発のハートクッションを脇に置けば、彼もソファに座った。