To my dearly beloved
可愛くて、愛しくて、何を差し置いてでも…、そう思った子に出会ったのは1年以上前。
そんな今は奥さんの真咲と出会えた事が、俺の人生観をガラッと180度変えてくれた。
“私なんかを拾ってくれてありがとう”と、時おり彼女が口にするけど絶対に違うよ。
真咲という身も心も綺麗な女性に出会わなければ、こんな気持ちを知らずにいたままで。
だから俺もまた返してしまうんだ…――“俺なんかに出会ってくれてありがとう”って…。
「う…、ああー…」
「ねえ、愛理ちゃん泣いてるー!」
柵で覆われたベビーベッドから可愛い声が上がり、真っ先に駆けつけたのは亜実ちゃん。
彼女からすれば姪になるが、年端のいかない亜実ちゃんが心配そうに見つめているが。
「大丈夫だよ、オムツを換えて欲しいってサインかな?
さっきミルクは飲んだから、新しいサインを私にくれたの」
そんな姿を見ながら嬉しそうに話すのは、出産後ますます美しくなった真咲その人。
すっかり慣れた手つきでお世話が出来るのも、妹で経験があるからと笑っていたが。
「へえー…、おりこうさんなんだね」
「ふふっ、亜実はずーっとおりこうさんだけどねぇ」
「えへへー、亜実ね。お姉ちゃんだから、もっとおりこうさんになる!」
オムツが綺麗になって静かになった愛理とママである姉を、嬉しそうに見る亜実ちゃん。
「真咲ママも亜実ちゃんも愛理も、最高におりこうさんだよ」
「大和…、それはありがと」
「誰よりも綺麗なママの娘だから…、将来心配だな」
「もう、また言う…!」
そんな光景に割り入ってしまうのは、やっぱり幸せすぎる今を俺も味わいたいからで。
寝静まった小さな愛娘の寝顔に、今から心配を抱く時点で親バカ街道まっしぐらだ…。
【恋理&愛理SS★終】