クロッカス
第一章
まだ薄暗い朝は気持ちがとてもいい。

風は涼しいし何といっても静かだ。

私は毎日のように早寝早起きまでして、外の空気を吸っていた。

変化のない私の人生ではそれが毎日の楽しみなっていたのだ。

一休みすると私は家の中に入った。

母は私の次に早く起きていた。

母は
「手を洗って朝ごはん食べなさい。」
と言うが、私は頷くだけだった。

あまり仲が良くなかったのだ。

昔の私は親が嫌いだった。父親が厳しい人だったのでテストが悪いとリビングにも入れてもらうことが許されなかった。

そのおかげか中学、高校と地元では有名な進学校に進める事ができた。

今では感謝している。
しかし、その代わりに勉強ばかりしていた私には青春なんかなかった。青春なんかドラマや漫画だけの話だともまで思っていた。

そして私は大学生になった。
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