不思議な七つの恋物語
一つの恋

「よっ・・と」


今日はバレンタインデーの前日

人間界のオンナノコたちにとって勝負になる一日の

準備期間とも言えるだろう

「う~ん、チョコの香り~♪」


街中はチョコを買い求めるオンナノコたちでいっぱいだ

そんな街中に突然舞い降りてきた白い服を着た少年


「しかも、オンナノコたちも恋の羽が舞いまくってるね~」

彼の名前はリント

一般で言う“天使”だ

彼は天使の中で恋の天使に分類される

この時期になると天使の世界『天界』から

人間の世界『人間界』に降りてくるのだ


「おわっと!羽だしっぱだっけ・・!」


背中にある真っ白な羽を急いでしまうリント

それと同時に彼の周りに舞ってた羽が消える


「これでよし!・・っと、さてとー」

そう言ってからチョコを買っているオンナノコたちのほうを見る


「うっわ~・・やっぱすげぇのな。この時期のオンナノコたちの恋の羽は・・」


恋の羽ー・・

恋するオンナノコから出てくるピンク色の羽

これを見れるのは天使だけなのだ


「んじゃそろそろ始めっかな~」

とリントは一人の少女に近づく


「ちょっと君の恋の記憶、見してもらうよ」

その少女から出ている恋の羽を手に取る

「・・・ふ~ん、部活の先輩かぁー。うん・・すっごく一途なんだねー」

そうして羽をその少女のところに戻す


「次はー・・この子っと」

彼、リントの仕事は恋してるオンナノコの

今までの恋の記憶を記録すること


「ちょっ・・この子、いくら好きな男の子が後輩と両思いだからって・・」

ってな感じでこういうオンナノコもいるから

そういう子の恋は叶えるわけいかないので恋の羽を没収してしまう


「まったく~・・困った子もいるなぁー・・」


だから最近は困るんだ





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