君を愛してない・・・
〔ラウノ様はやはり、耳と口が不自由な私では満足しないのですね。〕

〔そう言うわけではないんだ。愛するあなたの声を聞きたいんだ。声で話したいんだ。〕

〔ですが、ラウノ様は呪いが・・・〕

〔そのことは気にするな。いい方法を思いついたんだ。〕

〔え?〕


ラウノの思いついた方法とは、思うことと逆の言葉がでるならば、その逆の言葉を思いながら話せば、普通に話せるのではないかというものでした。


つまり、「楽しい」と思ったら、「つまらない」と思いながら話すということでした。


それは大成功。


ラウノは以前のように、喋ることが出来るようになりました。


確かに、長い文を言う時は大変でしたが、ラウノは昔の様に喋ることが出来るようになり、嬉しく思うのでした。


そのためか、最近では色んな者と喋ることが多くなりました。


その反面、ルイスとは会話をする機会が減りました。


ルイスはラウノの要望で、喋られるようになるために治療をしていました。


それはそれは辛い治療でした。


ルイスはいつも泣いていました。



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