君を愛してない・・・
それを、いつから忘れてしまったのだろう?


ラウノはため息を吐きました。


目をつむりますが、寝られません。


ここのところ、ずっとそうなのです。


そのため、顔色も悪く食欲もありません。



ルイスのことを思うと、何も手につかないのです。




ルイス・・・・・・・・


ラウノの悲痛な想いでした。





パタン───────────


ドアが開き、誰かが入ってきました。



「そこにいるのは誰だ?」


そこにいる者は、思いがけない人物でした。


{王子、久しぶりだねぇ。}


「その声は魔女か?」



ドアの傍から、魔女は近づいてきました。


{随分立派な若者になったじゃないかえ?}


「何の用だ?」



そう。この魔女は、ラウノに呪いをかけた張本人です。


{愛する新妻のお陰で、少しは大人になったかと思ったんだが、まだまだ早かったようだね?}

「なに?」

{お前が愛している姫はあたしのところだよ。}

「何だって?」


魔女は、薄ら笑いをしながら言いました。


{あたしは、こう見えても女の子には優しい方なのさ。特にあぁいう、心の綺麗な子わね。}


ラウノはよく意味が分からず、首を傾げながら魔女の言葉を聞いていました。


{彼女がボロボロに傷ついているのを見て、我慢ならなくなってね・・・連れて帰ってしまったよ。}

「そんな!!」



ラウノはベッドから起き上がると魔女のもとへふらふらな足取りで行きました。



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