君を愛してない・・・
ラウノは膝の力が抜け、床に座り込んでしまった。


ルイス・・・ルイス・・・私は、私は・・



ラウノが深く後悔した時、どこからか、美しい声が聞こえてきた。


「〜〜♪〜〜♪〜〜♪〜〜」

「これは・・・」

{姫の声だ。王子よ。}



魔女は続けます。


{あたしの魔法のお陰で、姫は完全に、健康な娘になった。}

「じゃぁ、耳も口も・・・」

{あぁ。・・・美しい声だろう?}


姫が歌う声は本当に、美しく清らかなものでした。


歌も本当に上手で。


ラウノは、ゆっくりと窓辺に近づきました。



お城の外は砂浜が広がり、海がありました。


ラウノは、夜の海辺で月夜に照らされながら、歌うルイスを見つけました。


ところが、その隣には誰かもう一人の影が。


{ルイスは、あの容姿と声だ。性格だっていい。これから求婚者が増えるだろうな。}

「そうだな。ルイスはもう私のものではない!!」
(何だと!?ルイスは私のものだ!!)


ラウノは弾かれたように部屋をとびだし、城外へ走っていきました。






「「〜〜♪〜〜♪〜〜」」


外へ出ると、歌がより聞こえやすくなりました。


でも、それはルイスの声と男性の声も聞こえてきました。



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