君を愛してない・・・
ルイスは今までに一回も不満文句を言ったことがないからです。


もちろん、今のルイスは魔女の力を少し借りています。


思ったことをため込んでしまうルイスのために、全て吐き出せるように、魔女が魔法をかけたのです。


「違う。私は優しい。だから、気付かなかったんだ。」
(そうだな。私は酷い。だが、やっと気付いたんだ。)

「隣国の姫が本音を溢したからですね。」

「っん・・・・・・」


口から出るのは、言葉とは裏腹なもの。


そして、言い訳ばかりでした。


ルイスは暗い瞳をしていました。


顔も体も細くなった気がする。


ラウノはようやく、ルイスの治療の苦しみを理解したような気がしました。


「ルイス・・・」


喋ろうとしたが、言葉を話してもルイスが聞いているのは、逆の言葉なのでラウノは手話を始めました。


すると、ルイスは辛そうな表情をしました。


そして感情を露にして言ったのです。



「ラウノ様は、私をからかわれていらっしゃるのですか?」

「え?」

「前は手話が面倒だと言っておいでだったのに、今は何ですか!私はもう耳も聞こえます。自分の声で話すことも出来るんです!」

「いや、そういう・・・」

「私は幼い頃から、人にいつも言われてきました。だから、大抵の方に言われても腹は立ちません。ですが、夫となった者にまで面倒だと思われたら私は・・・」



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